【J1第12節】ガンバ大阪 1−0 セレッソ大阪
暫定最下位で迎えた大阪ダービー。
負ければ進退問題に発展することが目に見えていた中で、
スタメンとフォーメーションをガラリと変え、博打に打って出た宮本恒靖。
3バックに遠藤・今野の二人を外し、高尾、高江、福田が先発に抜擢された。
3バックの右の高尾は本来はサイドバックの選手であるから、
やや開きすぎてしまうことを放送解説の岩政氏が指摘していたが、
自信を持って良くやってくれたという印象。
相手のロングボール一本で裏に抜け出され、
目を覆いたくなるようなピンチに見舞われたところはあったが、
東口が頼もしい対応を見せてことなきを得た。
高江はパス交換に絡めるし、パスをした後に前線に駆け上がり、チャンスにも関われる。
いよいよ遠藤と今野への依存から脱却しなければならないところで、
安定したプレーを見せられる若手が出てきている。
今後も高江は使って欲しい選手の一人である。
福田は積極果敢に左サイドから仕掛けた。
生粋のドリブラーではないのだろうが、正確な足元の技術が縦への突破を可能にする。
結果が欲しいという強い気持ちの表れが彼のシュート数に出ているのだろう。
後半アディショナルタイムに訪れたカウンターのチャンス。
食野とのパス交換からビッグチャンスを迎え、アデミウソンがゴール前にフリーで走り込んでいたが、
福田はシュートを選択。難なくGKにキャッチされた。
「いや、パスしろよー」とは思うけれども、今日に限っては、
大阪ダービーという大きなゲームで強い気持ちを見せてくれたから笑って許せる。
ま、自陣で奪ったボールを無理にドリブルで運ぼうとして奪われるところは直したほうがいいかもなあ…
倉田のシュートがニアの上を抜いた瞬間のスタジアムの爆ぜるような歓喜の声や、
宮本監督のガッツポーズ、各選手のいつもとは一味違ったように見える気迫、
サポーターが作り出す雰囲気、「うまくいっている」という認識と確信が若手の肩の荷を下ろしたのかもしれない。
久しぶりに最高の週末を迎えられた。2ヶ月も勝っていなかったらしい。
クルピにしても、勝てない時期の長谷川健太にしても大阪ダービーだけはものにしてきた。
今年もそれは継続されたが、その喜びはこれまでとは一味違う。
久しぶりの勝ち点3と大胆采配の成功、若手の自信、世代交代問題の解消の予感。
様々なものを得た大阪ダービーであり、これをきっかけにより一層、
荒れ狂い暴れ回るガンバ大阪を見ていきたいと思えた大きな一戦だった。