瀕死の獲物は息を吹き返す。

ラ・リーガ 第17節 レアルマドリード0−3バルセロナ

伝統のクラシコ。

この試合を楽しみに1週間、いや1ヶ月間過ごしてきたフットボールファンは世界中にいる。

現地では13時キックオフ。

日差しが強く、日向と日陰のコントラストが場合によっては障害となるピッチ状況だった。

日本時間では21時キックオフだったため、非常にちょうど良く、ゆっくり見られた。

 

試合の出だしは意外な展開だった。バルサが全くバルサらしくないのだ。

あのブスケッツでさえも簡単なパスミスをしてピンチを招いた。あの信頼と実績のブスケッツである。

バルサのゴールキック時には、レアルの選手がバルサの中盤より後ろの選手にぴったりとマークし、

ロングボールを蹴らざるを得ない状況を作った。

レアルが何度も決定的なチャンスを作ったが、ゴールには至らなかった。前半はレアル有利の展開で進んだ。

 

そう、有利なだけだったのだ。サッカーにおいて「有利」という状況は何の意味も持たないのかもしれない。

「有利」というのはあくまでも「スコアを動かす可能性が高い」だけであって、まだ何も得てはいない。

あえていうなら感触のみは得られていたかもしれない。

 

しかしながら感触を得るだけで、勝ち点3を与えてくれるような相手ではない。

後半に流れは変わった。

きっかけはブスケッツのパス。自陣の中盤でボールをキープ。クロースをいなしてレアルの中盤とディフェンスの間にポッカリ空いたスペースに緩やかにパスを送る。

ラキティッチは楽にパスを受け前に運び、そこから先制点は生まれた。

その後にカルバハルの退場覚悟のハンドでPKゲット。メッシが決めて2点差。

終盤にもトドメの1点を決めて3点差をつけた。

これを持ってバルサとの勝ち点差は14となり、レアルの優勝は絶望的に。

 

追加点を許したくない状況で、豪快なハンドで一旦失点を免れ、PKに勝負を委ねたカルバハルのプレーには賛否があると思われる。

私はDAZN観戦だった。中村憲剛がゲスト解説者になっていた。彼の解説は的を得ていてわかりやすく、引退後には解説者として活躍できるのではないかと思った。

今回のクラシコでは大差がついたが、前半のうちに先制点を決められなかったレアルが自ら首を締めた格好となり、「仕留められるときに仕留めなければならない」ことを象徴する、ある意味ではメッセージ性の強い試合となった。

どちらのファンでもない立場にとっては面白かったが、マドリスタは今夜は眠れないだろう。



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