【猛反発】『FC町田ゼルビア』が『FC町田トウキョウ』へ
愛するクラブ。
Jリーグのクラブのサポーターは自分が応援するクラブを愛称で呼ぶ。
鹿島アントラーズや川崎フロンターレ、名古屋グランパスについて話す時、
それぞれのクラブのサポーターは「アントラーズ」「フロンターレ」「グランパス」と呼ぶ。
少なくとも私自身が話をしたことのあるサポーターはそうだった。
FC町田ゼルビアについても同様だろう。
「明日はゼルビアの試合だから…」「ゼルビアは…」
熱烈な愛情を注いできたクラブの愛称が突然失われてしまうことで、
多くのサポーターが残念に思うのは容易に想像できる。
藤田オーナーが今後のクラブのビジョン、そしてクラブの名称変更の意図と経緯をサポーターミーティングにて説明した。
会場にはサポーターが集まり、この模様はYouTubeで配信された。
Twitterでこの件を知り、そこでは藤田オーナーの印象的な発言のみが切り取られ、
拡散されていたものだから完全に悪者だと思い込んでいた。
しかしながら動画を全て見てみると、その印象はほんの少しだけ変わった。
ミーティングの中での問題点はこちら。
・「ゼルビア」をなくす理由が明確に説明されていない。
・覚えにくいクラブ名称として他クラブの名称を挙げた。
・抽象的なビジョン
・「新しいエンブレムの旗くらいプレゼントします」発言
サポーターの気持ちを軽視するように聞こえる発言や冷たさがあって、
怒りで震えた人はいるのではないか。気持ちはわかる。
ただ、藤田オーナーがサポーターの声を聞こうとする姿勢を見せている点については悪くない印象である。
サポーターミーティングでの反発が強ければ、クラブ名称変更等のリリースを正式に出すとのことだったが、
一旦は保留に。
賛成か反対か。会場で拍手で票数を測った。
意外なことに賛成の人が一定数いて、会場では賛成と反対のどちらが多いのか、拍手の大きさではわからなかった。
反対票を投じるサポーターが必死に手を叩く姿には熱いものが感じられる。
困惑する藤田オーナー。ある程度の反対は想定していたとは言うが、
質疑応答で新名称が「クソダサい」と言われたり、
若者に涙ながらに訴えかけられるとどうしても揺さぶられるものがあったのだろう。
最終的には藤田オーナーが「この後にチーム名変更のリリースが出されるのが、どうしても嫌だと言う人は挙手を」
と自分の目で反対票を確認した。
半笑いで「難しいですね」と言ってしまうところは良くない。
・「ゼルビア」は覚えにくい
・FC町田ゼルビアに「東京」を付けると長くなる
「ゼルビア」をなくす理由としてはこのくらいしか挙げていない。
決して覚えにくいことはないし、北海道コンサドーレ札幌と名称の長さは大して変わらないし違和感もないから、
「ゼルビア」を残すデメリットはない。
藤田オーナーがどのように決断するのか、今後注目が集まる。
サポーターのクラブ愛があってこそサッカービジネスは成立する。
たとえ「ゼルビア」がなくなったとして、クラブへの愛情がなくなるわけではない。
オーナーであるからビジネス的な観点から取り組まざるを得ないのはもちろんのこと。
一旦「ゼルビア」をなくす決断をしたものの、サポーターのクラブ愛というものを再確認し、
ビジネス的にも「ゼルビア」が足を引っ張ることはないと考え直すのではないか。
「ゼルビア」が名称からなくなることに反対するサポーターは
会場に集まった人だけではないはずである。
その反対の声というのは確かに届いたはず。サポーターにできることはやったはず。
藤田オーナーは考えを改めて「ゼルビア」を残すのではないか。
少しだけそんな気がしている。