【J1第19節】横浜FM 3-1 浦和レッズ
またまた誤審騒動である。
1-0の後半15分。
左サイドの遠藤渓太からのボール。
宇賀神と仲川が競り合い、どちらかに当たってボールはネットを揺らした。
遠藤が蹴った瞬間、仲川がオフサイドポジションにいたことは明白である。
副審は旗を上げず、ゴールは認められる。
マリノスのゴールセレブレーションが行われる。
ボールはピッチの真ん中にセットされ、選手は自陣に戻る。
スコアは2-0に。
そしてキックオフ…かと思われたが、西川と槙野が副審と話をしている。
二人は激しく詰め寄っていたわけではない。
副審が少し説明すればすぐに試合は再開される雰囲気だった。
…試合は再開されない。ん?と誰もが首をひねっただろう。
松尾主審はインカムで話をする様子を見せながらピッチを歩き回る。
そこで放送では得点者が仲川ということで2-0に。
しかし。
松尾主審は右手をまっすぐ挙げて笛を吹く。
オフサイドの判定である。
いったい何が。
マリノスベンチは混乱し、ポステコグルー監督は頭を抱える。
大槻監督の「早くやれ!早くやれ!」と切り替えを促す声。
当然マリノス側は納得できず、審判陣営に詰め寄る。
松尾主審は選手、スタッフの入り乱れるベンチへ向かう。
黄色い服を着た審判関係者と何かを確認する。
そして両監督を呼び、説明をする。
「一度ゴールを認めましたが、オフサイドを取ります。すみません」
と説明をしているのだろうなと。そう見えた。
しかし。
大槻監督が激怒する。
ん、オフサイドではないのか。
放送には松尾主審が「ゴールとします」という感じの声が入っている。
やはりゴールなのか。
今度は浦和陣営が荒々しく松尾主審に詰め寄る。
大槻監督は呆れたような表情。選手は当然腑に落ちず、説明を求める。
それでも渋々浦和の選手はポジションにつき、試合は再開された。
結果的に言えば誤審である。
仲川のオフサイドが取られずにゴールが認められた。
ただ、今回はオフサイドがあったかどうかというよりも、
それ以上に怪訝な点や大きな問題を孕んだ、まさに物議を醸す判定となった。
①ゴール→オフサイドとなった根拠は?
②「運営」とは?
他にも問題はあるがここでは2つだけピックアップする。
①ゴール→オフサイドとなった根拠は?
一度認めたゴール。
松尾主審は判定をオフサイドに切り替えたが、
それは副審との話し合いによるものではないように見える。
副審が一番オフサイドを認識できる場所にいる。
その副審がオフサイドを見逃しているのは明らか。
これは珍しいことではなく、仕方のないことといえば確かにそうである。
しかし松尾主審は副審から離れ、誰かとインカムで話をしたのちに判定を変えた。
副審よりもオフサイドを判断できる者がどこかにいるのだろうか。
ハイライトを見て確認することはルール違反である。
それでも映像で見れば明らかにオフサイド。
「完全にオフサイドですよ」「そうか…わかった」
映像を見た者とこんな会話が交わされていたとしても不思議ではない。
そう疑ってしまう判定であった。
②「運営」とは?
「運営が決めている」と松尾主審が選手に話したという。
だから、自分が決めることはできない、と。
言い回しの問題なのかもしれないが、
これも判定や主審の在り方に対して不信感を抱く大きな材料となっている。
推測されることはある。
ゴール→オフサイドにしたものの、
ゴール後に笛を吹いて浦和の選手交代を認めている。
試合は進んでいる。
遡って一度認めたゴール判定を取り消すことができない。
ルールに抵触する重大な事態に気づいたため、
一度認めたゴールを認めざるを得なかったのではないか。
それを「運営」と称したのではないか。
得点に関わる判定であるため、大きく取り上げられるべき問題である。
今後の報道とJリーグジャッジリプレイを待つしかない。
VAR導入を最も切実に求めているのはもしかすると審判団なのかもしれない。