都少年サッカー 夏の試合禁止
熱中症対策として、東京都の少年サッカーの夏の公式戦を禁止とするようである。
詳細は記事の通りであるが、公式戦を禁止するだけでは子供達を守ることにはならないことを一つ問題として挙げたい。
指導者の方針によるのだろうが、私の経験としては、
公式戦よりも日頃の練習や練習試合の方が体力的にきつかった印象がある。
「夏に走って体力をつけた者が強くなる」という信念のもと、
容赦無く走り込みのメニューを取り入れるクラブは間違いなくある。
子によっては意思表示をしない場合があって、
頭痛や喉の渇き、尿意でさえも隠してしまうことが少なからずある。
練習中に給水タイムを何度も設けたり、帽子の着用を強制させたり、
指導者や保護者がスポーツドリンクやクエン酸のドリンクを準備して飲ませたりと、
現場の大人は子供の体調には全面的に気を配っていることだろう。
それでも汗に濡れた練習着を着続けたり、水筒のお茶を早くに飲み干してしまって、
飲み物がないことを言えずにいたりする子はいるだろうから、
サッカーをする子供たちを守るために夏の公式戦を禁止することについては、
はっきり言ってしまえば意味がないように思う。
結局一番危険なのは日頃の練習である。
公式戦が夏休みに行われないとなると、多くの場合、
その分練習に時間が割かれることを意味する。
また、練習の日は公式戦の日に比べると子供を見る大人の数が少ないだろうから、
リスクは高まる。
夏は試合ができないから、練習も夕方以降に短い時間で済ませたら良いのだろうが、
時間があればあるほど練習に気合を入れる指導者はいるだろう。
指導者や保護者の積極的な管理がなければ少年サッカーは成り立たない。
夏の公式戦を禁止することでどれほどの効果があるのか、
そもそも何を持ってこの取り組みを成功とみなすのかわからないが、
これは熱中症対策の大きな一手とはならないことは頭に留めておかなければならない。
本当に制限しなければならないものは、練習ではないだろうか。
夏は日中の練習を一斉に禁止にしてしまってもいいだろうし、
もしそれに反して練習を行おうとする指導者がいれば、
保護者がそれを報告できるような窓口を作ってしまえばいい。
子供のことを一番理解しているのは保護者であろうから、
本当に熱中症対策に取り組むのであれば、サッカー連盟の中であれこれと考えるのではなく、
まずは保護者の要望を積極的に聞き入れることから始めなければ、
問題は解決しないのではないだろうか。