藤春の後釜が見つかった件

【ルヴァン杯第4節】ガンバ大阪 4−1 ジュビロ磐田

「ハチの一刺し」という言葉がある。

このハチはメスのミツバチを指すのだそうだが、その「ハチ」は人を一度刺すとそのまま死んでしまうのだという。

 

毎年恒例のごとく、リーグ戦で調子の上がらないガンバ大阪。

メンバーをあれこれといじっているところからも、頭を悩ませていることをうかがわせる宮本監督。

ルヴァン杯のグループステージは、普段と違うメンバーを見られることが最大の醍醐味である。

優秀なクラブは同じ日にACLの試合を戦う。

ACLのグループステージでリーグ戦よりもメンバーのレベルを落とすと、

「手を抜きやがって」

「本気で行かないなら辞退すれば?」

「ACLに出られないクラブに失礼」

などと主にSNS上で大きな非難の嵐に巻き込まれる。

それならば、リーグ戦のメンバーを心置き無く休ませることができるルヴァン杯の方がいいのでは?と考え始めた今日この頃。

いやいや、もう一度強いガンバを取り戻してACLに出るんだ!という気持ちもありながら。

 

さて、過去最高に前置きが長くなったけれども、これは気分が良くなって試合中に3本の発泡酒を飲んだのが原因である。

そう、気分が良いのだ。

 

もう一度言う。

 

気分が良いのだ。

発泡酒s with ハッピーターンである。

 

今日の試合の収穫は多い。

・ジュビロキラーのファンウィジョのゴール

・田中達也のゴール

・食野のゴール

・中村のゴール

・左SBの黒川の躍動

・頼もしいキャプテン・米倉

・ホーム初勝利

などなど。

 

ゴールがたくさん生まれたことはもちろん嬉しい。

得点者がガンバサポーターが得点を待っていた選手たちであることがさらに嬉しい。

そりゃ、酒飲みますわ。

 

それでもクローズアップしたいのは、関西大学の黒川。

左SBで先発し、どんなデビュー戦を飾るのかに注目をした。

左利きで、ボールは無難に繋げる。

ボールを持ち上がることができる。

右足を難なく使える。

スピードもそこそこ。

最後の中村のゴールにつながるパスを出したのは黒川であり、

裏を狙ってスピードに乗る中村の前のスペースにボールを出すのではなく、

中村の足元にぶつけるようにパスを出したところに、センスを感じた。

結果的にゴールにつながったプレーであるから良いように見えてしまう面は確かにあるのだろうが、

攻撃面でも十分に持ち味を出せるところを見ると、リーグ戦での出番もあるのではないだろうか。

 

藤春が怪我をしてしまっている現状で、黒川という選手が現れたことは非常に大きい。

週末の仙台戦で使って欲しい。十分やれるのではないだろうか。

 

技術のあるSBは魅力的である。

ガンバの左SBの絶対的な存在である藤春の魅力はスピードと運動量である。

誰にも真似できないそのタフさはガンバにとって欠かせないものであるのだが、

技術面にはどうしても不安があり、上手いタイプのサイドバックを持つクラブをたまに羨ましく思ったものである。

 

藤春が不安定な姿勢でボールを持つとき、

藤春が右足でボールを蹴るとき、

私は「ハチの人刺し」という言葉を思い出していた。

右足で蹴られたボールは目標へ飛んで行き、蹴った本人はバランスを崩してピッチに転がる。

ボールを蹴ることに全ての力を注ぐようにも見えるその姿に、

どちらかといえばバタバタとするプレーを愛を込めて揶揄するように、その言葉を用いていたのである。

 

そんなところで今回、安定型のSBが出てきたことに盛大な喜びが込み上げてきているのである。

オジェソクの左SBも悪くはないのだが、次の試合で誰を使ってもらいたいかといえば、間違いなく黒川。

誤解のないように言っておくと、藤春よりも優先して黒川を使ってもらいたいのではない。

藤春の信頼は厚いものがあるし、あの運動量は代え難いものがあるから、まだまだ使い続けて欲しいのだが、

彼がいない間、もしくはいなくなってから、是非左SBを任せたいのが黒川という選手であるということを言いたい。

 

いろんな面で前向きになれる一戦だったこと。チームの状態がプラスに働くきっかけになるかもしれない。




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