なぜ初瀬亮や大森晃太郎のミスはメシウマなのか

J1第4節 ヴィッセル神戸vs清水エスパルスの後半43分にそれは起こった。

 

1点リードで試合を締めに行きたい神戸だったが、パス交換を失敗し中盤でボールを失う。

枚数は揃っていた神戸だったが、DFとMFの間にボールを入れられる。

鄭大世がシュート。CBの大崎が身体を投げ出してブロックし、事なきを得た、かに思えた。

ふわりと舞い上がったボールの落下点には左SBの初瀬。

 

右利きながら練習に練習を重ねて武器に仕立て上げた自慢の左足。

ダイレクトで大きくクリアするが、ボールはPA内に再びふわりと舞い上がる。

少年サッカーにおいても「中にクリアするな」と文句が出るくらいに、タブーなミス。W杯のコロンビア戦の失点も長友のクリアミスがキッカケになった。

舞い上がるボール。時間が止まったように錯覚しながら誰もがボールの行方に注目した。

落下点にはエウシーニョ。ワンタッチで鄭大世に落とす。再びシュート。

左足で放たれたシュートは綺麗に曲がりながらゴールに吸い込まれた。

見事なゴールである。

 

この場面、ガンバサポーターとしてはどうしても初瀬のクリアミスをピックアップしてしまう。

 

移籍していった選手がその後に古巣から応援される場合もあるし、

反対に長い期間に渡って根に持つように嫌われてしまう場合もある。

 

その理由はそれぞれ様々あるのだが、残念ながら初瀬は後者に近い。

もちろんサポーター全員が今の初瀬を応援していないわけではない。

私は個人的に嫌ってはいないが、応援しているかというとそれも微妙。

一応気に掛けてはいる程度だろうか。

 

彼が移籍した明確な理由はわからない。

それでも、

・藤春とのレギュラー争いに負けた。

・移籍先が神戸。

こういった印象が強いため、ガンバサポーターにとって彼の移籍は面白くない。

 

「逃げた」と表現する人がいても不思議ではない。

実際、私も以前こんな記事を書いている。

『初瀬の移籍は逃げなのか』

 

初瀬はガンバで全く芽が出なかった訳ではない。

それなりに試合に出たし、それなりにアシストをした。

 

身体の細さや走力がまだまだで、「これから頑張ろうね」くらいに応援はしていた。

それでも神戸に行ってしまった。

契約の世界であるから選手がいつどこへどんな理由で移籍しようと自由である。

サッカーファンはその決定に対してあれこれと感想を述べることしかできない。

 

それでも神戸に行ってしまった。

そして、勝ち点に関わるミスをした。そりゃ、わざわざDAZNで観ますわ。

 

少し前には大森が神戸に移籍し、反感を持たれた。

彼の場合は「移籍したいと思っていた」という旨のコメントを残したことが、

大きなマイナスに働き、今やガンバ戦では大きなブーイングを食らう存在である。

神戸に移籍し、ポドルスキとチームメイトになったが、

twitterにて、試合中の1場面をピックアップしたことがある。

FC東京に移籍してからも、長谷川健太監督とセットでブーイングの対象に。

ナビスコ杯決勝のヘディングのゴールや、ACLで決めた起死回生のゴールは忘れていない。

宇佐美が移籍した直後から自信を持ってドリブルを始めた姿にはワクワクした。

 

「裏切られた」という主観的な感情が根底にあるからこそ、

彼らの他クラブでの活躍は面白くない場合があるし、

反対に彼らのミスに焦点を当ててみたくもなる。

 

それでも初瀬や大森のことを気にかけている時点で、

「メシウマ」などとは言いながらも、

完全に彼らをまだ心のどこかで応援しているのだと思うのである。




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