大阪ダービー。
選手もサポーターもこの試合の重要性を十分に理解していて、
リーグ戦の順位や選手の怪我の状況などは一切関係なく、
勝利のみが求められる熱い試合である。
お互いに週中の試合でメンバーを落とし、このダービーに照準を合わせてきた。
この日唯一のナイトゲーム。舞台は整った。
この大事な試合でJ1デビューを果たした選手が二人いる。
高江と林である。前半に東口がアクシデントで負傷交代。林は突然のデビューとなった。
特に光ったのは高江だ。ボランチにコンバートされてまださほど長くないのだが、
今季のガンバのウィークポイントであるボランチの守備という点を見事に補った。
今野や井手口のように相手に身体をぶつけてボールを奪いきるタイプではないが、
中盤のバランスをうまくとり、それが結果的に中盤の守備の安定に繋がった。
相方のマテウスが対照的にフィジカルで物事をなんとかしてしまうため、
ボランチのコンビとしても良いバランスだったのではないだろうか。
個人的に嬉しかったことは、倉田の気迫を見られたこと。
なかなかここまで良いプレーを見せられていなかったのだが、
左サイドで攻撃の起点となり、軽いプレーでボールを奪われるようなことはなかった。
やはり彼はトップ下よりもサイドで輝くプレイヤーである。
ファンウィジョのど真ん中PKゴールの1点を守りきり、今季2勝目。
ロングスローを得意とする選手が入ってきた時には2012年の鳥栖戦を思い出したが、
それは杞憂に終わった。
前節の長崎戦で不甲斐ない内容を見て、すでにリーグ戦の4分の1を終えていることもあり、
そろそろクルピの解任を求める声が上がり始めていたのだが、
この勝利でその喧騒は一旦静まる。ダービーでの勝利には様々な効果がある。
今夜はうまい酒を飲む。そして次の試合に気持ちは向けられる。
磐田に勝利して喜んだものの、次の長崎戦でその勝利をチャラにしてしまったことが頭にあるため、
次の湘南戦で真価が問われる。クルピの信頼は一時的に回復しているが、
また長崎戦のようなことを繰り返せば、もうチャンスはない。
1勝の重みを感じ、その喜びを噛みしめながら、サポーターは応援し続けている。