【2018シーズン展望 その7】
ベタなほどに劇的で感動的な逆転優勝だった。
試合終了後の中村憲剛の泣き崩れる姿には、他サポでも感じる熱いものが確かにあった。
負け濃厚、引き分け濃厚の試合で最後の最後に勝ち点を積み上げられる強さ。非常に魅力的である。
昨季の例を挙げれば、0-2から試合終了5分前からの怒涛の3ゴールで逆転した仙台戦や、
パスの持ち味が全く生きない大雨の中でリードを許しながらも、終盤に執念でドローに持ち込んだ柏戦が思い出される。
優勝した要因は、確かな実力者が揃う陣容に風間サッカーをうまく引き継いだ鬼木監督が守備の要素を持ち込んだこと、
そして、鹿島失速という運を味方につけたことなど、いくつかあるだろう。
そして連覇を目指す今季。DFの補強は必要なかったのだろうか。
大久保の復帰や齋藤学の電撃加入が話題になっているが、川崎のDF陣は決して盤石の体制ではない。
谷口、奈良のCBは安心してみていられるわけではない。
エウシーニョは心強い存在であるが、彼がいない時のバックアッパーも田坂ではやや不安がある。
前線は豪華である。大久保や齋藤の出番は確約されていない。
昨季と同様のメンバーに溶け込ませてメンバー構成を決めることは容易ではないだろう。
ネットや森谷のパフォーマンスが安定すればより強固な陣容になることは間違いない。
今年はリーグだけでなく、カップ戦でもタイトルを狙うシーズンとなる。
ACLの決勝トーナメントやルヴァンカップ決勝で敗れたように、ビッグゲームに弱い印象は今でも否めない。
リーグタイトルを獲ったことを自信にし、さらにACL、カップ戦でタイトルを獲ってこそ、真の王者と呼べよう。