黄金の1年 -一流Jリーガー19人が明かす分岐点-

『黄金の1年』 飯尾篤史

選手にはそれぞれのストーリーがある。

様々な葛藤やプレッシャーに苛まれながら

人生を左右しかねない決断に迫られ、

いつ職を失ってもおかしくない立場でありながらも

人生のキーパーソンと出会い、

今ピッチに立っている。

Jリーグでお馴染みの19人の選手のそれぞれの印象的な年の出来事に焦点を当て、

まとめた一冊である。

 

Jリーガーが海外移籍すると、その選手のプレーを観る機会は激減する。

香川や本田のように有名クラブでプレーすれば、インターネットで試合の中継を見られるが、

ドイツ2部やタイのクラブの放送はほとんどない。

そして海外で日の目を見ずに日本に帰ってくる選手は少なくない。

 

そんな選手がどのような経緯で移籍を決断し、渡った先はどのような環境だったのか、

その一端を知ることができる1冊でもある。

 

自分が応援するクラブの選手が入っていないから…と、この本を敬遠する人は少なからずいるはずである。

ただ、Jリーグを観る上で、選手たちがどのような葛藤を経験しているのかを知られることは

非常に有意義である。

シーズン開幕前で暇を持て余しているのであれば、この1冊を手に取ってみよう。

読みやすい文章、文量であるから読んでいて疲れない。

 

この本に1つだけ注文をつけるとすれば、遠藤保仁も取り上げて欲しかった。

ファンのわがままである。

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