遠藤保仁「俺自身がしたいのは……」ガンバが失ったタイトルとスタイル。
今のガンバが「たまたまシュートにつながった」ような攻撃しかできていない現状について遠藤が語った記事である。
補強が万全でなく、また、怪我人が相次いだりとメンバーがきちんと揃わなかったことは言い訳である。どこのクラブにも必ずある問題である。
特定の核に依存してしまうサッカーなのだ。選手が入れ替わるとサッカーのスタイルを維持できないことがチームとしての問題の1つである。
CBが怪我をして、今は今野がカバーしている。しかし、今野は中盤で最も生きるタイプであるがゆえに自分のスペースを安易に開けてしまい、その裏を突かれる場面は何度か見受けられた。
選手に不足はなかった。シーズン開幕前には多くの人がガンバを優勝とまでは言わないまでも、上位に予想していたことだろう。
選手の配置と、その配置から生み出す新しいスタイルの浸透に苦労したのだ。
いや、そもそも長谷川健太の頭の中に理想のスタイルがあっただろうか。
現状の選手で戦えると思われるフォーメーションを組み、
「球際で負けない。自分たちのサッカーをしよう」などと精神論に特化した言葉をかけていたとしたら恐ろしい。
まさかプロの監督がその程度の仕事しかできないわけがないのだが、
最近の結果と内容を鑑みれば、監督もどうしていいのかわからない状態だったと考えられる。
頭に示した記事の中で遠藤の言葉に引っかかった。
「川崎のようなサッカーをしたい」
そう言ったのだそうだ。
確かに川崎のサッカーは面白い。中村を中心に選手同士が近い距離で足元でパスを回し、テクニックのある選手や決定力のある選手がきちんと仕事をする。
それでも同じリーグのクラブを理想として掲げたことに少々驚いた。
「バルサのように」であればまだわかる。
ここにもガンバの現状の悲惨さが滲んでいるように感じた。
嘆きのシーズン終盤戦となるが、次期監督の発表を楽しみにして、
来季以降のガンバのサッカーが面白いものとなることを期待しながら過ごしていくしかない。